Vol.77 転職先を決めるときの「判断」と「決断」
2008年06月27日
【判断】物事の真偽・善悪などを見極め、それについて自分の考えを定めること。
【決断】意志をはっきりと決定すること。
判断と決断。一見似たように見える言葉ですが、よく考えてみるとその2つには違いがあるようです。経営における判断と決断、政治における判断と決断、いろんなシーンで判断と決断はありますが、転職先を決めるときにもまた判断と決断があるようです。
Nさんは31歳。地頭よく行動力もある非常に優秀な人物です。ただ、直近2社が短い在籍期間での転職となっていたことから、今回の転職活動については本人も当初は苦戦を予想しており、可能性のありそうなところには幅広く応募を行いました。しかしながら、実際転職活動が進んでいくと、これまでのご経験や彼自身の人間的魅力から順調に話が進み、最終的には4社から内定を頂くことができました。
4つの会社はそれぞれ、(1)ベンチャー企業の経営企画:年収800万、(2)戦略系コンサルティング会社:年収850万、(3)中堅企業の事業企画:年収800万、(4)アーリーステージの人材エージェント:年収600万。
「Nさん、まずはおめでとうございます。4つの会社から内定がでましたね、すごいですね。ところで、もうどの会社に行くのか決められたんですか?」
「いや、実は悩んでいるんですよ。それぞれ違った業態の会社から内定を頂いたので、単純に横に並べて比較するというのも難しくて。正直判断がつかなくなっています。」
「そうですか。ちょっと整理する必要があるかもしれませんね。Nさんにとって、今回の転職における一番大事な判断基準は何ですか?」
「判断基準ですか。そうですね、改めて言うと・・・」
まず4社の選択肢の中から、Nさんの仕事に対する価値観、今後のキャリアプランなど、最終的な選択を行う上で重要と思われるポイントごとに整理していきました。判断基準のお話しをしている間にわかったことは、これまでの経験から「人」に絡んだ仕事に魅力を感じていたこと。裁量権を持って会社のマネジメントにも直接的に関わりたいと思っていること。新しいことにチャレンジする経営者と共に汗をかけること。この3つが今回のご転職では重要なポイントになるようでした。
最終的にあがってきた企業は(4)の人材エージェント。最も年収の低い会社でしたが、まさに「人」に絡んだ仕事であり、また自社のマネジメントにも深く関わって欲しいという要望を社長から直に受けていたことも大きな要因でした。
「Nさん、これで決められそうですか?」
「ん~、難しいですね。今回の転職で大切にしたいと思っていることで選べば(4)なのですが、どうしても年収条件に目がいってしまいますね。実際今より年収も落ちますし。そう考えてしまうと決めきれないですね。」
「Nさん、あとは『決断すること』なのかもしれません。判断材料だけで意思決定するのも限界がありますし、最後の最後は決断だと思います。ご自身の選択に腹を括れるかどうか、もう一度よく考えてみてください。」
「判断することと決断することは違うんですね。もう一度考えてきます。」
後日、Nさんから力強い声でご連絡がありました。
「決断しました。(4)でお世話になります。よく考えて自分で出した答えですし、自分の決断なので、腹を括ってしっかりと頑張りたいと思います!」
判断は「いくつかの選択肢、条件を比較検討して最適な答えを出すこと」、決断は「ただ一つの正しい答えが出ていなくても意思決定を行うこと」という言い方でより違いを出すことができるかもしれません。転職先を決めるとき、まずは自分の判断基準を明確にして答えを出していくことは重要です。ただ、最終的にAかBか判断がつかないとき、これは決断のタイミングだと思えるかどうか。判断と決断の違いについて自分の中で認識できていると、転職時の意思決定も進めやすくなるかもしれません。
今回の教訓&アドバイス
- 1. 転職時に何を重要な判断基準とするのか、明確にしておくことは大事!
- 2. 判断だけでは決められないこともある、最後は決断と理解しておく!
- 3. 決断するには腹括りが必要。それがあれば頑張れる!



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